繊維製品消費科学
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肩線の目の角度とずれ角度によるアームホール曲線の分類
山田 民子今岡 春樹
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2004 年 45 巻 6 号 p. 425-433

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抄録
本研究の目的は, レディスとメンズを区別した原型, シャツ, ブラウス, ジャケットなどのアイテムについて, アームホール曲線の全体的な特徴を明らかにする事である.アームホール曲線の肩線のみに注目し, 肩線から計算できる目の角度とずれ角度を分析のための二つの特徴量とした.目の角度は肩線の傾斜によって変化し, ずれ角度は肩線の平行移動によって変化する.原型, シャツ, ブラウス, ジャケットの総数110パターンを資料として用い, 二つの特徴量とアイテムの間の関係をグループ化によって調べた結果, 目の角度の差異はシャツとジャケットを区別する軸であり, ずれ角度の差異はほぼレディスとメンズを区別する軸であることが明らかとなった.その他の得られた結果は以下のとおりである.
(1) メンズ原型とメンズジャケット, レディス原型とレディスジャケットは, 目の角度, ずれ角度ともにそれぞれ同一のグループにあった.
(2) メンズシャツとレディスシャツは, 目の角度, ずれ角度ともに同一のグループで, 目の角度が最も小さく, ずれ角度は中程度の負の値であった.
(3) レディスジャケットの目の角度は, シャツとメンズジャケットの中間にあり, ずれ角度は大きく負の方向にあった.肩線が前方にあると推測できた.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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