抄録
縞柄の諸要因が被服の視覚評価にどのように関与するかを, 若年女性を対象に検討した結果, 以下のような知見を得た.
1) バーチャル着装画像試料として取り上げたワンピースの縞柄は, 縞幅が細くなるほど, また横縞より縦縞が細く長く見える傾向にあった.数量化1類より, 「細く見える」「長く見える」は縞の方向と縞幅が影響することが判明した.
2) 視覚評価に個人差があったことから, 被験者をクラスタ分析により分類し, 関与する要因を検討した結果, 横縞が細く見えるクラスタが存在する等, 着装評価に影響を与える要因は各クラスタで異なることが判明した.
3) 平面の縞では, ワンピースと同様, 縞幅の細い縦縞が細く長く評価された.数量化1類より, 「細く見える」「長く見える」は縞の方向と縞幅, 縞幅の割合が影響していることが判明した.なお, 2) の結果を受け, 平面でも被験者クラスタ間の差を検討した結果, 差は認められなかった.