繊維製品消費科学
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金属塩混合ポリプロピレン繊維の染色について
麓 泉
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1967 年 8 巻 4 号 p. 207-212

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抄録

ポリプロピレンに有機金属化合物を混合して, キレート型染料によりDyableとした繊維が現在多くつくられている.著者はそれら繊維の染色上の諸問題を追究するため, 金属ステアレートを混合に用い, 混合金属種別, 混合濃度, 混合金属塩の純度, 染色温度などが染色におよぼす影響についてしらべ, 次のような結果を得た.
1) 一般にNi混合繊維は染料の染着, 顕色が他に比べて良好で, 堅ロウ度もよい.Zn混合がこれに次ぐ.
2) Ni混合繊維は他に比べてやや緑味に顕色することが多く, Ni中のわずかなCoの含有は顕色に影響をおよぼさない.
3) 100℃, 114℃の染色温度の差は顕色, 堅ロウ度に差を生じない.
4) 金属塩の混合量が増加すると, 繊維の最外層をのぞく外層部一帯に金属塩が分布する傾向があり, 中心部が染まらなくなる.

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