繊維製品消費科学
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家庭用ミシンの布送りに関する研究
三浦 義人曽谷 愛子福富 芳美
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1968 年 9 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

ミシンは布を送り歯と押え金との間に保持し, 送り歯が水平に移動することにより, 縫製布を正確に, 一定長ずつ送り出す.そこで, 送り歯の運動軌跡からミシン1回転当りの布の送り長を基準長とし, 諸因子が布の送り量におよぼす影響を実験的に検討した.その結果, 押え金の圧力が約2500g/cm2のときには, 他の因子は送り量に影響しない.圧力がそれ以下の場合には, 回転数が小さく, 押え金裏面が粗に, 試料の重ね枚数が多く, 糸張力が大きいほど, 送り量は少なくなる.布の一端にばね秤りを置いて送り力Fを測定し, 押え金および送り歯と試料との摩擦係数をμ, 糸の張力による阻止力をTとすれば, FP-Tなる関係があり, 実験上μは0.23, Tはほぼ下糸の静止張力に等しかった.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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