織物のハンドリングに関しては, 多くの要因が考えられるが, 本報ではその特性として「腰」を選び, 官能量を複合的な物理量として取りあげ, その相関的意味における関連性を考察し, 織物のハンドリングを評価するための基礎資料を得ようとした.
市場において, その「風合」・「腰」等の特性で, たがいに競合している葛城, ウエストポイント程度の厚布地数点について, 官能量と物理量との関係を考察して, つぎの結果を得た.
(1) 判別関数で求めた「腰」と官能による「腰」の判定とは高い相関関係にある.
(2) 葛城, ウエストポイント程度の厚布地では「腰」の判定には, 曲げかたさが主に影響し, 圧縮特性にはあまり影響されない.
(3) 織物の「腰」と「剛さ」とは別個の意味をもっているが, 官能量としては非常に高い類似性を示す.
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