2008 年 70 巻 3 号 p. 357-367
近年異常気象に伴う自然災害が頻発しており, 国上に多くの豪雪地帯を有する日本では雪崩による被災も懸念される. 雪崩被害を防止するためには流動モデルを構築し, ハザードマップの作成や雪崩防御施設の設計へと反映させることが重要である. 流れ型雪崩は, フロントからの雪の取り込みや後方への離脱により, 雪崩内の雪量や形状が流下に伴い変化する. 福嶋・大澤(2007 ) はこのような雪崩のメカニズムを考慮し, 流体力学的な手法による一次元流動モデルを提案した. 本研究ではこれを応用し, 三次元地形データを人カデータとすることで流れ型雪崩の流下経路や流動幅も解析可能な二次元流動モデルを構築した. また, 基礎方程式に含まれる無次元係数などの感度分析を実施し, 運動形態への影響を比較検討した.