北海道の高速道路および国道において, 道路防雪林の造成は, 今, ちょうど四半世紀を経過した.造成の始めには, 鉄道防雪林がモデルになった. けれども, 先進的であった鉄道林の造成技術は, 地拵えの不足, 過密な植栽, 間引き無し, 短命化, などの問題点があり, 道路林には適用し難いことが判明した. そこで,十分な地拵えとして,排水系の整備,客土による根張り空間の拡大が実施された.そして, 広い列間を有する植栽方式と, 実績のあるヨーロッパトウヒに加え, トドモミ, アカエゾトウヒなどの自生樹種が採用された. さらに, 健全な成長と防雪機能の効果的な発現を目指して, 裾枝打ち,間引き, などが実施されてきた. 四半世紀を経て, 各地に, 樹高が10m を超えた土木遺産候補となるような, 立派な道路防雪林が造成された.