雪氷
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菅平高原で観測された低気圧活動に伴う凹型積雪深変動
上野 健一大門 亮太足立 幸穂清水 悟
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2010 年 72 巻 4 号 p. 237-253

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抄録
長野県菅平高原における積雪深に,雪面が1日で急激に低下し,その後,一定に保持される期間を経て急上昇する特異的な変化が観測された.この“凹型”の雪面変動は温帯低気圧の通過に伴い厳冬期にも発生しており,菅平高原に限った現象では無い.簡易的な熱収支解析および断面観測より,低気圧の暖域通過に伴う断続的な顕熱による融雪と,その後の積雪上部での再凍結が主原因であると判断した.積雪深の長期記録によると,顕著な凹型積雪深変動は日本海沿岸で暖冬に伴う少雪が顕著となる1980年代後期から散発的に出現している.客観解析データ上で検出されるPNA・WP遠隔伝播パターンと列島周辺の低気圧頻度との関係も同時期以後は変調し,低気圧経路により北進成分が強まる傾向にあることが示唆された.菅平の冬期降水量が増加する年は,日本海上を通過する低気圧の中心気圧が低くなる傾向も示された.しかし,凹型積雪深変動の出現と低気圧活動の年々変動に有意な対応関係は見出せなかった.中部山岳域での雪氷圈変化に関する長期観測態勢の確立が望まれる.
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© 2010 公益社団法人 日本雪氷学会
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