抄録
南極・昭和基地周辺において採取された表層積雪に含まれる硫黄の安定同位体比について分析を行った.その結果,表層積雪の硫黄同位体比は+17.4~ +20.1‰ の範囲で,平均(±S.D.)18.8±0.9‰であった.海塩寄与率を10 ~50 % と仮定して非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比を求めた結果, 平均+18.1±1.4‰ の値が得られた. このことから, 近年の南極の地域における生物活動起源揮発性硫黄化合物(DMS,MSA,SOx)に起因する硫黄の同位体比は, +18 ‰ 前後であると推定された.