抄録
架空送電線のギャロッピングによる事故・障害とその対策については,国内外において1900年代初期から電気事業者にとっての重要課題として取り組まれてきた.その後,今日までその現象把握と対策への取り組みが続いている.架空送電線は自然環境の中で建設・運用されており,厳しい風雪に曝されている箇所も多い.また,用いられている電線は振動しやすい構造であることから,ギャロッピング振動現象の解析的取り組みは段階的であった.その後,2005年12月に日本海側地域において雪害による広域電力供給支障の発生に鑑み,電気事業全体の取り組みとして電気事業連合会より電力中央研究所に研究要請があった.電力中央研究所(2017a)では,電力各社の協力のもと2007年より2017年迄の10年間に及ぶ重着雪・ギャロッピング・塩雪害に関する研究への取組が行われ,その研究成果がまとめられている.この間,100年を超える架空送電線に係わる数多くの関係者によるたゆまぬ取組とデータ蓄積が継続されているので,その経緯とギャロッピング現象の特徴と現象解明や対策に関する国内外の取組を紹介する.