雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
立山室堂平での積雪下部の状態変化
─温度測定とインターバル撮影─
島田 亙
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2019 年 81 巻 4 号 p. 151-161

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抄録

春先に積雪深6mを記録する北アルプス立山連峰の室堂平(標高2450m)において,積雪開始からの積雪下部の状態を明らかにし,温度環境を理解するため,初冬(11月中旬)から融雪期(4月以降)まで温度測定を行った.さらに冬期前半に積雪下部の写真撮影による“その場” 観察を行った.その結果,積雪下部には温度勾配が存在し,かつ写真により冬期前半(1月初旬まで)は積雪下面での融雪が観察された.これは,地中から積雪への熱流によるものと考えられ,初冬の積雪の一部が失われていることが明らかになった.また,冬期前半や融雪期には,雨水や融雪水の浸透が観測された.

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© 2019 公益社団法人 日本雪氷学会
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