雪氷
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研究ノート
冷却空間に湿り空気を送風した際の過飽和とミスト可視化への風速の影響に関する実験
安原 薫
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2025 年 87 巻 1 号 p. 23-40

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抄録

気温の低い時期の山間の道路や鉄道駅,冷房の効いた屋内競技場といった比較的閉塞した場所では,霧・ミストが突発的,局所的に発生し,視界不良による遅延や事故を引き起こすことがある.本研究は,実験を通して,温度,相対湿度および空気流速の環境条件から空間凝結によるミストの発生予測を行うことを最終的な目的としている.本稿では,冷却された空間内に高温高湿の湿り空気が流入することを想定し,その温熱環境条件や風速がミスト発生に及ぼす影響について,LED光の透過率や空間蒸気量の変化から検討を行った.

本研究では,実験装置として1辺500 mmの透明アクリル製容器2つを開閉式ダクトで接続したものを用い,約30℃に設定した一方の高温容器内の湿り空気を,約5~20℃の低温容器内に風速0.5~1.8 m/sで送風し,ミスト発生の様子をLED光で可視化,動画撮影すると同時に照度計を用いて透過率変化を測定するという実験を行った.

観察から,ミストの可視化状態が濃い,淡い,不可視の3種類に分けられた.そして,特に高温空気と低温空気の温度差が大きい場合に,低温容器内に吹き込む風速が飽和蒸気圧に影響し,過飽和の生成やミストの可視化が起こりやすくなることがわかった.

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