単導体電線のねじれを抑制することで重着雪を防止する対策品の「カウンタウェイト(CW)」に対し,重着雪とギャロッピングの両方を抑制するための対策品として「ルーズ型カウンタウェイト(LCW)」が開発された.本研究では,実規模送電線の2つの観測事例をもとに,LCWを設置した電線の着雪・電線動揺特性や,CWを設置した場合との差異を評価した.LCWのねじれ抑制効果は,CWと異なり,電線に着雪が生じて一定程度ねじれた後に発現する.しかし,発現までの時間が短く,着雪成長過程の差異が小さかったため,最大着雪量はCWを設置した場合と同等であった.着雪量の差異が小さい一方,着雪成長の初めは電線がねじれやすいため,着雪の付着面積が増加する.そのため,着雪体の付着力がその重力の影響を上回りやすくなり,落雪が妨げられた.電線に着雪が生じた時間が長くなり,ギャロッピング発生のリスクが増加した結果,CWを設置した電線と同等以上の振幅のギャロッピングが発生した.現在のLCWは重着雪抑制効果を持つ一方,ギャロッピング発生の可能性が高まる場合もあり,対策を両立するためには観測結果を踏まえた更なる技術開発が求められる.