雪氷
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レードーム上降雨・雪の準ミリ波による減衰
鈴木 道也小野 光弘野村 安夫
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1973 年 35 巻 4 号 p. 192-200

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抄録

最近, 準ミリ波のような高い周波数帯の急速な利用にあわせ, とくに衛星地上間通信に関連して, 地上のアンテナレードーム表面上に付着する降雨・雪効果の解析資料をうるため, 研究調査と予備実験を実施した.
予備実験としては, (1) 周波数24GHzにおける人工水膜による透過減衰量の測定, (2) 同じく降雨シミュレーションによる降水流に対する透過減衰量の測定, (3) 降雪時の着雪現象の観察を実施した.なお, (1), (2) に対する近似理論計算結果との照合も行った.
以上の結果, レードーム表面上の降雨・雪現象はかなり複雑であるが, 水膜の厚さと透過減衰量の実測値との相関はかなりよく, 理論計算値との比較でも厚さ0.20~0.35mmの範囲でよくあっていること, 降水流では同じ流量に対しても流れのパターンの変動がけん著であること, また, 着雪現象に対しても興味ある結果をうることができ今後の研究に対する指針をえた.

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