雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
氷床及び氷河の氷厚変化の原因について 東南極みずほ高原氷床とネパールヒマラヤクンブ氷河の場合
前 晋爾
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 39 巻 3 号 p. 117-124

詳細
抄録
東南極みずほ高原で観測された氷厚の減少を, 質量の連続の式を使って理論的に考察した.その結果, みずほ高原氷床の氷厚の減少は, 氷床底面が温度上昇によって融解し, 底面すべりが生じたために引きおこされたと結論した.さらに底面の温度上昇は積雪量の減少に起因すると推定した.この結論は, 西南極で推定される氷厚減少が, 引張り歪速度の増加によるものといわれていることと全く異っており, 東西両南極の流動現象及び氷床の変動を考えるうえで, この相違は興味ぶかい.
ネパールヒマラヤのクンブ氷河の氷厚変化も連続の式を使って解析した.その結果, クンブ氷河の中流で観測される氷厚の増加には, 質量収支の変化以上に圧縮歪速度の増加が寄与していることがわかった. 従って, クンブ氷河中流域の氷厚の増加は動力波 (kinematic wave) の到達によるものと結論した.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本雪氷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top