抄録
雪の引張強度の大幅なバラツキの原因の一つとして, 試料体積効果が考えられている.しかしながら, この効果を実験的に注意深く調べた報告はない.
本研究は, 上記のことから雪のテストピースの体積を変え, それ以外に考えられる破壊要因をできる限り取り除いて一軸破壊試験を行い, 強度の試料体積効果を調べたものである.その結果, 破壊強度Sと試料体積Vと間には, 次のような関係があることがわかった.
S≈ (4.4×104) ・V-0.1
ここで, SとVの単位はそれぞれN・m-2, m3である.この関係式により, 雪の引張強度は試料の体積のちがいによって著しく変わらないことがわかった.それ故, いままで得られている強度のバラツキは, 試料体積効果よりもむしろ各測定者が選ぶ雪試料の質の僅かなちがいや試料成形時につくられる傷, そして試験方法の違いなどによることの方がはるかに大きいという結論に達した.