従来, 融雪流出期における日流量解析など, 水文学界の実際面では, 日平均気温と日雨量の関数で表わした日融雪水量算定モデルが多用されて来た.しかし, このモデルを適用する場合, 特に融雪出流初期において推算ハイドログラフの立上りが実態より遅れるなど適合度が十分でない.その原因は日平均気温を有効気温としたことにあると考えられる.
本研究では, 日平均気温に替えて, 融雪現象が起こる時間帯の気温の日平均値に相応する指標と考えられる “日平均融雪気温” を導入する事により, 適合度の向上した実用的な日融雪水量の算定モデルを求めた.