雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
長岡における気温と降水種出現頻度・降雪量の関係について
田村 盛彰
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 52 巻 4 号 p. 251-257

詳細
抄録

長岡における気温別降水種 (降雪, みぞれ, 降雨) 出現頻度, 気温別日降雪量を近年の多雪年, 少雪年, 並年, である1963年, 1966年, 1969年の3冬 (12月~3月) について, 新潟地方気象台長岡気象通報所の観測資料を用いて統計的に解析した.その結果, 以下の知見を得た.
(1) 降雪時の気温の範囲は-6℃から+6℃である. (2) 気温範囲0~1℃で降雪出現頻度が最大である. (3) 降雪時の平均気温が-1~1℃の範囲で1冬の累積降雪量が最も多い. (4) 降雨時の気温は0℃以上である.ほとんどの降雨は2~5℃で出現し, 2℃以下0℃へと気温が低下するにつれ減少する. (5) 日降雪量が1cm以上ある日の降雪時平均気温の範囲は-4~+3℃である.日降雪量の99%以上が降雪時平均気温2℃未満の日に生じる. (6) 判別気温以下で生ずる降水を雪と, それ以上での降水を雨と判定するとき, 雪とみなした降雨頻度と雨とみなした降雪頻度の和の全降水頻度に対する割合 (誤認率) は判別気温が2℃から3℃の間で最小値をとり, その値は8~10%であった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本雪氷学会
次の記事
feedback
Top