1995 年 57 巻 3 号 p. 239-244
積雪面の熱収支式を考察することによって,10日程度の期間の融雪量を日中平均気温と日積算日射量の期間平均値で表せることを示した.その結果,アルベードが0.8程度のときには,融雪量は見かけ上日射量に依存せず,気温の一次式で表せることがわかった.このとき融雪係数に相当する係数は,期間平均の風速と相対湿度で表される.この方法で実際に融雪量が推定できることを札幌,岩手県沢内,宮城県川渡のデータで検証した.また,気温が日射量と相関をもつ場合について考察した.