裸地・積雪地・植生地における凍土の凍結深について,鉛直1次元モデルに中国東北部の季節凍土帯の気象データを用いて,気象条件・地表面パラメータに対する依存性を調べた.その結果,裸地については気温が凍結深を支配すること,風速が大きくなると凍結深がやや減ることが確かめられた.また,土壌の含水率への依存性は含水率が0.1以下の場合を除くと小さいこと,乾燥密度にも大きく依存しないことがわかった.積雪が存在する場合には,凍結深が積雪深のほかに雪の熱物理係数にも強く影響されることがわかった.植生地については,森林を想定すると森林密度の凍結深への影響は大きくないことが示された.続いて,積雪下の凍結深の推定について,数値計算によらない方法を提案した.この方法は積雪内の温度分布を半理論的に解いて求めたものであり,汎用性をもっている.しかしながら,推定に必要な項目が多いなどの問題点も抱えている.