雪氷
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Print ISSN : 0373-1006
氷・氷摩擦係数の測定
安留 哲荒川 政彦前野 紀一
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1999 年 61 巻 6 号 p. 437-443

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抄録

回転式の摩擦測定機を製作し,低温室(-1℃,-5℃,-12℃,-27℃)で低速度領域(10-1~10-4m/s)における氷・氷の摩擦測定を行った.氷表面温度-12℃,垂直応力2.9 kPaにおける氷・氷摩擦係数は,速度を10-1m/sから10-4m/sまで減少させるにつれて,0.01から0.15まで増加した.温度が-1℃の時の結果は,絶対値も速度依存性も-12℃の結果とほぼ同じであった.一方,温度が-5℃では,摩擦係数の値は全体的により小さく,-27℃では,全体的により大きくなる傾向が得られた.測定を行った垂直応力範囲(2.9~6.8kPa)において,摩擦係数の大きな変化は見られなかった.温度-12℃,速度10-4m/sと,-27℃,10-3~10-4m/sでは,スティック・スリップが観測された.

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© 公益社団法人 日本雪氷学会
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