2002 年 64 巻 1 号 p. 69-76
雪片の構成因子(構成雪結晶の数,形,粒径など)を明らかにするため,雪片を個々の結晶にほぐす方法(分離法)による観測を行い,以下の結果を得た.
構成結晶数が同じ場合,雪片の粒径は結晶の平均粒径が大きいほど大きくなること,樹枝状結晶は放射状結晶よりも平均粒径が大きいため,大きい雪片を形成することが確認された.
雪片の粒径は構成結晶の平均粒径をパラメータとして結晶数のべき関数で表され,この関係は構成結晶数10個未満とそれ以上とで異なった.雪片の形状を仮定した簡単なモデルによる考察から,前者の関係は外形が平板状に近い付着の仕方を反映していること,後者は球状雪片に対応していることが示唆された.