雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
雪片の構成因子の観測
梶川 正弘成田 栄子一関 景子工藤 貞子佐々木 るみ子
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キーワード: 雪片, 雪結晶, 雪片形成
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2002 年 64 巻 1 号 p. 69-76

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抄録

雪片の構成因子(構成雪結晶の数,形,粒径など)を明らかにするため,雪片を個々の結晶にほぐす方法(分離法)による観測を行い,以下の結果を得た.
構成結晶数が同じ場合,雪片の粒径は結晶の平均粒径が大きいほど大きくなること,樹枝状結晶は放射状結晶よりも平均粒径が大きいため,大きい雪片を形成することが確認された.
雪片の粒径は構成結晶の平均粒径をパラメータとして結晶数のべき関数で表され,この関係は構成結晶数10個未満とそれ以上とで異なった.雪片の形状を仮定した簡単なモデルによる考察から,前者の関係は外形が平板状に近い付着の仕方を反映していること,後者は球状雪片に対応していることが示唆された.

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© 公益社団法人 日本雪氷学会
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