抄録
本研究では大雪山系東ヌプカラウシヌプリ(標高1251m)の岩塊斜面において得られた積雪底地表面温度(BTS)としもざらめ雪の層厚の対応関係を検討した.BTS値としもざらめ雪の層厚にはよい相関関係(直線近似:R2=0.79)が認められた.近接する気象観測点の気温と積雪深データから積雪の温度勾配を推定すると,温度勾配は積雪の薄い12月に最も大きくなる.この推定結果より,12月にはBTSが低い部分でも,しもざらめ雪が発達したと予想される.したがってしもざらめ雪の層厚の違いは,積雪層が厚くなった1,2月に拡大したと考えられる.積雪構造は,BTS値が高く推移したか,または低かったかを示す指標として用いることができる可能性が示された.