雪氷
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雪冷熱を用いる原子力発電施設の出力制御システムの概念
上村 靖司戸井田 隆行
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2003 年 65 巻 2 号 p. 127-134

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抄録

雪の冷熱を利用して,原子力発電施設における冷却水温度を下げ,発電機の発電効率を向上させることにより,夏季日中の電力需要のピーク時に数十MWの電力を生み出すシステム(SEAGUL)の構想を提案した.柏崎刈羽原子力発電所の1356MW級プラントを対象に試算した結果,680万m3(340万t)の雪を山間部に保存し,夜間電力によって1日の消費雪量16万m3(8万t)を原子力発電所に隣接する一時貯雪槽に輸送し,電力需要がピークを迎える日中3時間,海水温度を9℃下げることにより,20MWの電気出力が生まれ,年間1800MWhの電力が供給できることを示した.

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© 公益社団法人 日本雪氷学会
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