2003 年 65 巻 3 号 p. 317-321
2002年1月16日に北海道雨竜郡幌加内町字母子里にある北海道大学低温科学研究所融雪観測室・露場にて行われた「雪合宿」において,化学分析のための積雪採取方法とイオンクロマトグラフィによる積雪中の化学主成分の定量方法のクロスチェックが行われた.6方法での試料採取・処理を行った.その結果,積雪から試料瓶に直接採取する方法では深さ方向に均一にサンプリングできず,結果が他と異なることが分かった.その他の方法には大きな問題が見つからなかった.化学主成分の定量は,5機関にて行われた.K+は積雪中の濃度が低く,かつ定量限界が高いため分析値にばらつきが見られた.他の成分については,特徴的な測定値のばらつきが見られた研究機関もあったが,大きな問題は見つからなかった.