雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
円形等分布荷重を受けるアイスドームの構造安全性に関する検討
粉川 牧
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2004 年 66 巻 6 号 p. 661-668

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抄録

アイスドーム上に人間が載る場合の構造安全性に関する数値的検討方法を示した.まず,構造体の氷は弾性的に振舞うと仮定して,載荷半径が小さい円形等分布荷重を受ける偏平球殻の力学問題として捉え,その理論解を求めた.そして,その円形等分布荷重がドーム上の1箇所(シングル荷重)と2箇所(ツイン荷重)に作用する場合について,それぞれ,ドーム下面に生ずる最大引張応力を算定する近似式を提示した.人間一人の重さが100kg,氷の許容曲げ応力を3kg/cm2程度とした場合,この近似式に基づいてアイスドームの最小氷厚を計算すると(但しツイン荷重の場合,荷重中心間距離は1m),底面直径が15m以下の場合は6cm,15mを超え30mまでのアイスドームの場合は7cm,となる結果を得た.

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