雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
富山県の森林帯における年間積雪期間の標高傾度
林床地表面温度からの推定
石田 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 68 巻 5 号 p. 489-496

詳細
抄録
積雪時の地表面温度の特性を明らかにする目的で,超音波積雪深計によって観測された積雪の有無と地表面温度(1時間インターバル)との関連について検討した.その結果,積雪時の地表面温度は,0.5±1.0℃(平均±標準偏差,最小-0.4℃,最大3.2℃)であった.地表面温度3.2℃以下,前後5時間の標準偏差が±0.22℃以下の条件を積雪下とみなした場合の積雪の有無の判定的中率は95%であった.この判別条件を用い,2003年10月上旬から2004年6月下旬までの一冬季間,富山県下の暖帯から高山帯に至る主要森林タイプ19地点で林床の地表面温度の計測を行い積雪日数の推定を行った.その結果,各地点の積雪日数は,暖温帯常緑―落葉広葉樹林:22.5日/年,暖温帯落葉広葉樹林:58.4~104.5日/年,温帯落葉広葉樹林:113.3~158.6日/年,温帯針広混交林:150.3~158.7日/年,温帯―亜高山移行帯林:167.0日/年,亜高山帯林:214.5日/年,高山帯林:200.4~207.1日/年と推定された.暖帯から亜高山帯の森林では,標高と積雪日数の間に高い相関関係が認められた.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本雪氷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top