2007 年 69 巻 1 号 p. 71-77
2000年12月26日,山形県立川町(現在庄内町)立谷沢地区で雪崩が発生し,月の沢発電所の水槽の点検に向かっていた5人の作業員のうち3人が死亡した.この雪崩の種類,地形・植生条件,気象・降積雪条件および運動について調査・解析した.その結果,1)雪崩の種類は自然発生による面発生乾雪表層雪崩であること,2)雪崩発生箇所は稜線の風上側の植生のほとんどない斜面であること,3)被災箇所はすり鉢状の地形の底に位置しており雪崩が集中する場所であることが判明した.