雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
リモート・センシングの氷河研究への応用
バルカーサ ゴンサロ安仁屋 政武
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 69 巻 2 号 p. 201-220

詳細
抄録

空中写真や衛星画像は,世界の氷河に関する知識を向上・蓄積させて来た道具として非常に効果的で,それらが果たしてきた役割は大きい.この解説記事ではリモート・センシング・データを使って主に南極・グリーンランド・アラスカ・スバールバル・パタゴニア・山岳地域の氷河を対象として行った研究についてレヴューした.内容を大きく,(1)ある地域の氷河インベントリー作成や氷河変動を求めるための,あるいは氷河表面状態などの氷河マッピング,(2)氷河表面高度の変化から,あるいは夏の終わりの画像を使って氷河質量収支を求める方法,そして(3)氷河流動とその変化,あるいは氷河流出などによる氷河ダイナミクスの解析,などに分けてレヴューを行った.古い空中写真と最近の衛星データを比べることによって,過去数十年間の氷河末端変化・面積変化・体積増減などが求められ,最近の地球温暖化への応答や海面上昇への寄与などが評価されるようになった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本雪氷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top