環境科学会誌
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シンポジウム論文
アジア諸国におけるPFCsリスクマネジメントの展望
頭士 泰之益永 茂樹
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2009 年 22 巻 3 号 p. 212-218

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抄録

グローバルスケールの問題をはらむペルフルオロ化合物(PFCs)汚染は,これまでにその汚染拡大防止に向けて先進国や国際機関において,製造禁止や使用規制といった観点から取り組みがなされてきている。一方でアジアの国々では発展途上の国も多く,PFCs汚染に取り組む体制の整備が遅れており,汚染の実態把握に役立つデータも限られている。この中で日本はPFCsに関する問題に対し情報・状況把握や調査体制が進んでおり,この問題解決に向けて途上国をリードして行くことが求められる。そこでこれまでの調査で得られた情報・知見に関して汚染状況や汚染源情報を中心にまとめ,アジア諸国における汚染拡大防止に向けて考察を行った。これらの国々では今後の経済発展に伴い汚染が悪化し,ヒト健康・生態リスク等が顕在化する地域も出てくると推察されるが,環境汚染にも配慮した発展が望まれる。そのために日本の役立てる部分は多く,効果的なPFCsリスクマネジメントに向けて今後もさらに情報・知見を集積していく必要がある。

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© 2009 社団法人 環境科学会
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