環境科学会誌
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シンポジウム論文
分散型エネルギーシステムによるCO2排出削減効果の地域性評価と広域評価
-GISによるミクロ評価と広域評価拡張への予備的考察
森 俊介石田 武士小池 祥元大蔵 将史
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2009 年 22 巻 4 号 p. 290-300

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抄録
民生部門のCO2排出削減のために,コジェネレーション(CGS)の導入やヒートポンプに期待が寄せられているが,そのCO2削減ポテンシャルは需要パターン,機器特性,温度特性に依存するところが大きい。このため,地域により最適なシステムのあり方に差が生じると考えられるが,これまで,その地域性と機器特性に着目した研究はなされてこなかった。そこで,ここではエネルギー機器の具体的な部分負荷特性や空調機器の外気温依存性等を非線形混合整数計画法によりモデル化し,CO2削減の潜在可能量を推計するモデルを開発した。このモデルを,札幌,宇都宮,那覇という気候条件の異なる日本の都市を複数の地域に細分化して業務用ビルおよび住宅床面積構成をGISに基づき抽出して得た用途・季節・時間大別のエネルギー需要推計値に適用し,コジェネレーションシステムと電気ヒートポンプシステムのCO2削減ポテンシャルの評価を行った。この結果をさらに日本の950市町村に適用する推計を試み,我が国におけるCO2排出削減が約18.6%に達するという結果を得た。
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© 2009 社団法人 環境科学会
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