本研究では飼料イネ(リーフスター,クサホナミ,ハマサリ)及び食用イネ(日本晴)の各部位を原料とした高温メタン発酵特性を調べると共に,飼料イネの粉砕程度によるメタン生成ポテンシャル,メタン生成速度及びメタン発酵が起こるまでの遅延期への影響を評価した。その結果,3品種の飼料イネ及び食用イネからのメタン生成特性を把握できた。特に,茎のデンプン含有量が多いほどメタン生成がはやく起こることや機械的な粉砕はメタン生成ポテンシャルに影響がないことが分かった。また,単位面積当たりのメタン生産性はリーフスター,クサホナミ,ハマサリ,日本晴の順で高く,食用イネと比較して飼料イネはメタン発酵原料として優れていた。一方,飼料イネの乾式メタン発酵の可能性について反復回分培養実験において確認でき,アンモニアの蓄積が起こりにくいことが確認された。