2015 年 28 巻 3 号 p. 230-240
環境ボランティアの社会的重要性について注目が集まっており,ボランティア募集の様々な試みがなされている。その一例として,清掃活動とスポーツを組み合わせた環境活動を取り上げ,その参加者と普通の清掃活動の参加者とを比較した。その結果,この環境活動の参加者の60%は普通の清掃活動には参加していない人であったこと,また環境に関する活動について意向はあるものの実際には活動していなかった人が参加した傾向が明らかとなった。スポーツと環境活動が組み合わさることで,スポーツ競技への興味が参加理由の一つとなり, またチーム競技であることは直接的な参加依頼を誘発したことが示された。環境活動に別の要素を加えることや直接的な依頼を誘導するような工夫は,ボランティア募集において重要な考慮すべき点と結論された。