2016 年 29 巻 4 号 p. 201-205
横浜市内を流れる都市河川・大岡川の源流域の森林渓流水において平水時濃度を測定し,対照区として奥秩父の森林渓流水と比較した。結果,大岡川の渓流水中のCl-濃度は平均366 µMとなり奥秩父と比較して14倍,NO3-濃度は平均104 µM(同様に3.1倍)となり,大岡川源流は,特に大気沈着からの影響を大きく受け,主に海塩の影響と人為的な影響が強く示唆された。NO3-は森林の窒素飽和の観点から,SO42-は土壌の影響も大きく,これらの渓流水中の陰イオン濃度には注視すべきである。