2019 年 32 巻 3 号 p. 91-102
都市内の緑地は熱環境悪化の緩和や雨水流出の緩和効果などの機能を担っているため,多くの都市で緑化を推進しているが,建築物が密集している都市において,緑化を施すスペースを確保することは難しい。そこで注目されているのは,人工的土地被覆を緑地で覆う屋上緑化であり,多くの都市でそれを推進するための制度を導入している。しかし,屋上緑化の施工件数・面積は増加しているものの,都市内の緑被率はさほど増加していない。そのため,都市の土地被覆情報や屋上緑化の施工状況などを詳細かつ正確に把握することで,計画的に都市・緑地整備を行う必要がある。
本研究では愛知県名古屋市中心部を対象に,WorldView-2衛星画像を用いて詳細土地被覆情報の取得及び屋上緑化施工箇所の把握を行い,都市の現状把握を用途地域別・建築物用途別に考察する。