本研究では,2015年4月に発生したゴルカ地震(ネパール地震)から3年半後における復旧状況を調査したので報告する。筆者らは,2018年11月に現地に赴き,カトマンズ渓谷のカトマンズ及び周辺都市部の調査を行った。カトマンズ市内は建物被害が少なく復興が早かったものの,カトマンズ市外の都市では今なお多くの場所で住宅再建が続いていた。世界遺産であっても,寺院の再建が進行中であったり,崩壊したまま放置されている建物もみられた。住居建物の建築資材を調査した結果,都市部における殆どの建物は,焼成レンガ・日干しレンガとRC造の柱・梁で構成されていた。ネパールでは,家族が複数世代で居住し,その都度住居の上階を増築する行為を行っていることがわかった。このような建築行為が,地震による被害を増幅させたと予想される。