抄録
ミドリムシに対する強磁場の影響について研究した。生きているミドリムシは,水平方向の勾配強磁場(380T2m-1)中では,高磁場方向に移動する(正の走磁性)。一方,EDTAで殺したミドリムシは,低磁場側に集まった。8Tの均一磁場では走磁性は見られなかった。強磁場中のミドリムシの顕微鏡観察の結果,ミドリムシは磁場とほぼ垂直方向に配向して泳ぎ,また殺したミドリムシも磁場配向していた。ミドリムシの正の走磁性は,ミドリムシの磁場配向とミドリムシにかかる不均一な磁気力の2つを考慮することにより説明された。