環境科学会誌
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市民公園におけるごみ箱の配置条件による散乱ごみの増減
張 允鍾青木 誠治河合 慎一郎早瀬 光司
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2002 年 15 巻 1 号 p. 59-66

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抄録

 本研究では散乱ごみやごみの分別問題の現状を定量的に把握し,有効なごみ捨て行動のコントロール策を探るため,ごみ箱の位置,有無,種類などの効果について考察を行った。東広島市内の西条中央公園を系として3カ月にわたり,ごみ箱を系内に均等に分散させる均等分散型,人の滞留場所に配置する滞留場所型,公園の出入口に配置する出入口型の3種について,散乱ごみとごみ箱内のごみの組成分析を行った。缶びんの散乱率は均等分散型の時最も低く,滞留場所型配置の時は均等分散型の4倍以上であった。不燃ごみにおいても,滞留,出入口型配置より,均等分散型配置の時散乱率が最も低い結果となった。出入口型の時,ごみ全体の散乱率が最も高い結果となった。全てのごみに関して,滞留場所型や出入口型といった場所に配置するより,均等分散型配置の時散乱率が最も低く,散乱ごみ抑制で一番有効であることが分かった。ごみ箱を撤去した期間にごみの総量が最も低い値をとり,また家庭ごみも減る結果となった。分別型ごみ箱を設置すると缶びんごみの分別率は高いが,不燃ごみの分別率は低く,この分別率を高くさせる方策が必要である。

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