抄録
本研究では,環境基本計画の目標管理や指標活用状況について評価を行った。まず,目標管理に必要な項目を把握しているかどうかを,全国市町村に対するアンケートによって調査した結果,把握率が比較的高い項目でも3-5割の自治体が把握するにとどまっており,計画の目標管理は必ずしも十分でないことが明らかになった。次に目標管理がおおむね行われていると判断され,かつ環境指標を明示的に活用している豊中市,川越市,日野市の3市について,目標管理と指標の活用状況を併せて評価した結果,計画策定時では豊中市の評価がかなり高く,運用時は3市とも評価が高く,評価・見直し時は3市とも低いという結果になった。策定時では総合指標の導入有無が評価ポイントを左右したのに対し,運用時では,3市とも年次報告書の発行・公表がインセンティブとなっていることが確認された。