環境科学会誌
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環境情報サイトと利用者間の問題解決研究
黛 陽子秦 ヒョジョン長 幾朗
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2003 年 16 巻 3 号 p. 211-218

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抄録

 本研究は,環境情報をインターネット上で扱う環境サイトを対象としている。環境サイトの評価手法の提案と,評価結果から導かれる問題の抽出を行うことで,環境サイトと利用者のコミュニケーションの阻害要因を特定することを目的としている。問題の抽出は,「サイト側の問題」と「利用者側の問題」に分けられる。本研究ではこの2側面から問題の抽出を行った。「サイト側の問題」の抽出に関しては,「環境サイトコンサルティングシステム」の構成に沿って評価を行った。webユーザビリティ評価結果から,環境サイトは「システム関連評価」が高いが,「認知視覚関連評価」が低い事が明らかになった。「利用者側の問題」については,紙面調査によるアンケート調査により問題点を抽出した。調査は,「環境サイト利用状況を知る首都圏部へのアンケート調査」を行った。環境サイトのレイアウトについての質問で,「イラストや画像」がレイアウトの半分以上を占める方が好ましいとした回答は,66%にのぼった。webユーザビリティ評価において,情報の認知視覚関連評価が低い点について改善が必要である事と,アンケート調査によるイラストや画像といった視覚情報を好む傾向は,サイト側と利用者側ともに同じ改善策を持っていると言える。これらの問題点から,環境サイトは情報のエレメントを反映した視覚的なデザイン向上が必要とされていることが考えられた。

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