抄録
本研究では,家電リサイクル法とEU指令(WEEE指令&ROHS指令)について比較した。家電リサイクル法とEU指令は,販売ルートを利用した回収システムの構築,家電製造業者に対しリサイクルを義務付けた面で共通していた。しかし,法令の構成,目的,対象製品,役割分担,リサイクル費用の負担,回収基準,特定有害物質の使用規制などの面で相違していた。また,このような差をもたらした要因について,日本とEUにおける法制定主体の違い,製造業者の認識の違い,法制化過程における市民の参画度の違いのほか,日本とEUにおける地理的要因および環境問題への対応の歴史的要因から考察を加えた。