抄録
南丹市八木バイオエコロジーセンター(京都府丹南市八木町)では畜産農家から集められた家畜糞尿および食品産業からのおからを処理し嫌気消化で得たバイオガスを燃料とするガスエンジン発電を行っている。さらにこの畜産廃棄物処理プラントは嫌気消化槽からの脱水汚泥ケーキと肉牛糞および鋸屑より良質のコンポストを製造することによってゼロエミッションを実現している。本研究では,南丹市八木バイオエコロジーセンターの家畜糞尿処理プロセスに関して,ウエットバイオマス原料のバキュームカーなどによる搬入に伴うCO2排出,水,電力,燃料などの日常の事業維持のためのユーティリティー入力,および初期のプロセス機器の建設に伴う寄与を考慮して,累積CO2排出原単位を環境影響指標としたライフサイクルインベントリー解析を実施した。その結果,家畜糞尿処理プラントである南丹市八木バイオエコロジーセンターは,設計仕様の発電が確保されるならば,エネルギー自立とゼロエミッションを達成しながら同時に,余剰発電に伴うCO2吸収量の積算が積算排出量を上回り年平均のCO2吸収量がプラスに転じることがわかった。さらに,ガスエンジン発電の代わりに燃料電池発電を採用することによる発電量の増強あるいは消化槽からの廃液の液肥発利用は,環境負荷を減じ,CO2吸収源としての役割を著しく高めることが期待される。