環境科学会誌
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X線マイクロアナライザーによる粒別分析に基づく沿道環境浮遊粒子の起源解析
劉 国林尾張 真則二瓶 好正山田 治彦山本 秀行鈴木 周一
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1991 年 4 巻 4 号 p. 273-282

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抄録

 東京都北の丸公園内の首都高速道路脇でローボリウムエアサンプラー及びアンダーセンエアサンプラーを用いて沿道大気浮遊粒子を捕集した。捕集試料について重量測定を行ったのち,電子プローブマイクロアナライザーで粒別分析し,得られたX線スペクトルパターンに基づいてクラスター分析を行い,粒子形状などの物理的情報をも併せて,起源解析を行った。その結果,沿道捕集大気浮遊粒子について推定された主な起源は,ディーゼル車から排出されたすす粒子,タイヤ粉じん,土壌・鉱物,鉄系粒子,ケイ素系粒子,カルシウム系粒子及び海塩粒子であった。それらの起源の粒径分布,各粒径範囲の各起源の寄与を求めることができ,また,交通状況と大気浮遊粒子の濃度,すす粒子とディーゼル車の混入率との関連などについても幾つかの知見が得られた。

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