抄録
培地中の銅濃度によって生産量に影響を受ける高分子化合物が,重金属耐性菌Penicil lium ochro-chloron ATCC36741の過塩素酸抽出物中に見出された。カラムクロマトグラフィーと超遠心分析の結果,分子量は2,000,000以上と推定された。GLCの結果は,この物質がグルコースのみからなる多糖であることを示していた。13C-NMRとGLC-MSの結果は,この物質がα 〔1→4〕結合とα 〔1→6〕結合を13:1の割合で含むことを示していた。以上のことから,この高分子化合物はα 〔1→4〕結合を主鎖とし,α 〔1→6〕結合を側鎖とする分子量2,000,000以上の多糖であることが分かった。