2024 年 39 巻 p. 63-78
本稿では、無業経験のある若者の支援利用過程と就労達成後の状況について、「生きづらさ」への対応過程の変容という視点から検討した。調査対象者は支援利用過程で、無業による劣等感や自己責任規範へのとらわれといった「生きづらさ」が緩和され、就労達成へ向かう。その過程は「就労自立の論理」と「支援の場の論理」の両方を取り入れた実践として位置づけられる。一方で、就労達成後に「就労自立の論理」の前景化と「支援の場の論理」の後景化が生じ、支援利用のなかで緩和されてきた「生きづらさ」へ再接近してしまう様子もみられた。支援の場で「生きづらさ」の緩和が進むことは先行研究で示されていたものの、就労達成後に「生きづらさ」への再接近が生じることは十分に検討されておらず、本稿の知見として意義を持つだろう。