抄録
模型実験を行うことなく蓄熱水槽の蓄熱効率を予測できる経験式を得ることは,蓄熱水槽の設計上重要な課題である.本研究は,改良もぐりぜき(堰)式多槽蓄熱水槽について,冷水と温水の温度差,液流量および槽幾何形状を変えて温水のステップ入力に対する液温度の過渡応答を測定し,まず第1槽の蓄熱効率を予測する経験式を得ることを目的として行ったものである.実験結果から,温度成層部の蓄熱効率η_<v_1>および第1槽全体の蓄熱効率η_vを予測する半経験式を,流入部基準のアルキメデス数Ar_0,ペクレ数Pe,温度成層部における液の無次元滞留時間τ_<v_1>,および槽幾何形状パラメータφ_1およびφ_2の関数として導いた.