抄録
本研究は,各種建物の使用水量を精度よく推定するため,幾つかの水使用要因を考慮した多元的な予測式の導出を目的としており,その第2報として,ホテル・旅館を対象に論述している.すなわち前報と同様に,全国の主要9都市で実施した水使用アンケート調査を基に,建物の諸特性・使用水量の関連分析により得た回帰式および建物管理者の水使用意識・節水対策の実状を示すとともに,建物特性・水使用意識・使用水量をアイテム・カテゴリーにとり,数量化理論第III類によって相互の関連を分析している.使用水量の予測は重回帰分析によって検討し,延べ床面積・従業員・宿泊可能人員あたりの使用水量を3〜4個の変数で説明する重回帰式を提案した.