抄録
核沸騰には沸騰開始時の履歴現象といった遷移現象が存在しており,それらの機構を解明することは,沸騰熱伝達を有効に利用するうえで重要である.ところが,これらの遷移開始点は広範囲に分布しており,現象を実験的に検討するには,実験条件を一定に保った多数回の実験を行い,実験データを統計的見地から考察することが必要となる.そのために,電気加熱法による沸騰実験装置のデータ測定系および電流制御系を2台のマイクロコンピュータを用いて完全に自動化した.本報では,装置の詳細を報告するとともに,その性能について報告する.また試行実験として,自然対流から核沸騰への遷移現象について実験を行い,その結果についても報告する.