中空層の換気による冷房負荷低減効果の検討のために,単純化した中空層を備えた外壁の実寸模型を作成し,実際の気象にばく露して各部の温度などの変化を測定した.模型を南面させ,3月および10月の実験では,コンクリート中央の温度と外気温との差の24時間平均は,上下のスリット幅を0,10,40mmと広げるにつれて7.2,6.4,4.5℃と低下した.中空層内空気温度と外気温との差によって生ずる浮力から推定した平均流速は日射熱入射時にスリット幅10mmでは約0.1m/s,スリット幅40mmでは約0.3m/sであった.気流による外部への熱の搬出量の1日の合計値はスリット10mmでは369W・h/m^2であるが,スリット幅40mmでは871W・h/m^2に増大していた.