抄録
九州地域の4都市(福岡市,熊本市,大分市,鹿児島市)の事務所ビルの環境・設備に関する総合的実態調査結果を基に,給排水・衛生設備容量についての解析を行った.得られた結果の一部として,(1)各種設備容量は在住人員より延べ床面積との相関が高く,特に衛生器具数と延べ床面積との相関が高い,(2)給水設備容量に関する4都市での特徴では,受水タンクと高架タンク容量が福岡市のビルで最も大きい,(3)節水対策としては節水型便器の利用が徐々に増加しており,特に昭和53年の福岡市での長期給水制限以降の節水に関する行政指導の効果も表れている,(4)給水管や受水タンクの材質は,昭和50年を境として塩化ビニルライニング鋼管やFRP製に大きく変化している,などがわかった.